しゅう1
尾道をいや、広島を代表するラーメン屋でもある朱華園
広島市の陽気と並び立つその名前はおそらく全国に轟いているのだろう。
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何年か前に朱華園の松永店には行ったことがある。
だけどこちら尾道の本店はいつも凄まじいまでの行列が嫌で一度も寄り付きさえしなかった。
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だけど今回たまたま夕方に尾道に来てバイク置き場に来てみると営業中の朱華園に全く行列がないというある意味特異な状況に遭遇した。
「チャンス!」とばかりに突入を敢行した次第である。
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店内に入るといきなり人間券売機のおばちゃんがいて早々にお金を払わされるシステムは松永店と同じだ。
メニューはシンプルこの上なのは良いのだが朱華園では尾道ラーメンではなく「中華そば」と名乗っているようだ。
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あまり待たされないでチケットと交換でやってきた朱華園の中華そば600円。
そのドでかいチャーシューの圧倒的存在感に目を奪われる。
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確か自家製麺だったと思うが典型的な尾道ラーメンの特徴である平打ち麺。
猛烈な勢いで伸びてしまうという欠点はあるもののやっぱりコレじゃないとね~。
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一枚ながらどどーんと大きいチャーシュー。
よくある尾道ラーメンのように固くパサパサではなくどちらかというとしっとりと脂身もあって食べごたえもありハッキリ言ってこれほど旨いのはなかなか出会えないくらいだ。
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ポリポリの食感とどこかごま油を感じさせるメンマはさすがの旨さで食べているのが嬉しくなってしまう。
それとその特徴のひとつである背油??も噛みしめるとしっかりした食感で甘みがあるのがよくわかる。
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だけどこのラーメンを支配しているのはやっぱり見るからに醤油辛そうなこのスープだ。
聞くところによると
「先に言っておきます。朱華園の中華そばは尾道ラーメンではないのです。鶏ガラベースの透き通った醤油スープ、大きめの背脂のインパクトが強い見た目からは、どこから見ても一般的尾道ラーメン。しかし、朱華園のラーメンには小魚が使われていないのです。小魚のダシを使うというアイデアは、尾道ラーメンを全国に売り出す計画の中で瀬戸内らしさを表現するために用いられたものなんだそうです。ということで、朱華園は厳密に言えば尾道ラーメンではないのです。しかし、尾道のラーメンに対する評価を高めた最大の功労者であることに間違いはありません。とにかく食べた瞬間に美味だと分かるラーメンなのです。その衝撃は計り知れません。見た目に背脂のインパクトが強いため、こってりしているように感じられますが、見た目よりあっさりしていて食べやすいのも、さすがと言うほかありません。スープを口に含む、飲む、後味を感じるという一連の動作の全てにおいて美味を楽しむことができる、超一流の美味スープなのです。麺は驚くほどスープを絡め取る平麺。ツルツルした食感は自家製麺ならではの美味です。チャーシューは朱華園では完全に脇役扱い。ここでの具の主役は背脂なのです。大きめで丸っこい背脂は、箸でつまんでも潰れることはありませんが、背脂を舌の上に乗せて口の上部に押しあててみると、素敵な美味を放出しながらプニッと潰れてしまうのです。背脂のおいしさとやわらかさでは、おそらく全国一だと思います。」
だそうでこの内容に嘘偽りはにというのが正直な感想だ。
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これが尾道ラーメンではないのだとしたらどれが尾道ラーメンってことになるのだろう?
ぶっちゃけいつもあんな行列作ってるくらいだからすっかり堕落しきったラーメンなのだろうと高をくくっていたのだが返り討ちにあったような気がした。
さすがの老舗はこれほどの有名店になった今でもおそらくは初心を忘れていないんじゃないかな。
その事実を目の当たりにした時ただただ素直に脱帽するしかなかった。