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ホンダが2015年07月24日「CRF1000L アフリカツイン」の技術概要を正式に国内発表した。
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「 CRF1000L Africa Twinは、1990年代に大人気を博した「XRV750 Africa Twin」同様、オンロード、オフロードを問わず、世界中のさまざまな道を走破できるアドベンチャーモデルです。「どこへでも行ける」をコンセプトに、「True Adventure:真の冒険」に向けた究極の装備を持つモデルとして開発しました。
 新開発の998ccエンジンは、コンパクトながら高い性能を発揮し、軽量なセミダブルクレードルフレームの採用によってオフロードでの優れた走行性能とオンロードでの機敏なハンドリングを両立。さらに、デュアル・クラッチ・トランスミッション(以下DCT)のコントロール性能を向上したほか、ABSとHonda セレクタブル トルク コントロールを搭載したモデルもタイプ設定しています。車体色は、ダカールラリー参戦マシン「CRF450 RALLY」のカラーをまとった“CRF ラリー"をはじめ、トリコロール、シルバー、ブラックの全4種類を予定しています。」
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注目の値段は「欧州でのメーカー希望小売価格(税込)は、スタンダードモデルで12,100ユーロ(販売国の税金によって異なります)を予定しています。
 このCRF1000L Africa Twinは、欧州での発売後、北米や日本などでの販売を計画しています。」
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今現在の為替で12 100ユーロって言ったら164.526743 万円
この値段は195万のKTM1190アドベンチャーや165万のヤマハXT1200Zスーパーテネレと同等で性能面で優位性があるならじゅうぶんに競争力があるだろう。
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「70kWを誇る軽量・コンパクトな998ccエンジン

モトクロスマシン「CRF450R」「CRF250R」など、レーシングマシンの開発で培ったノウハウを活用し、軽量でコンパクトなパッケージを実現。これらのモデル同様の4バルブユニカムヘッドと、Hondaのフラッグシップスポーツモデルである「CBR1000RR Fireblade」と同じ素材の軽量カムシャフトを採用しています。
出力性能にもこだわり、270度位相クランクシャフトによって、どの回転域においてもレスポンスがよく、回転数が上がるにつれて、深みのあるエンジン音を響かせながらしっかりとトラクションを感じさせるほか、2軸プライマリーバランスシャフトが振動を軽減します。
また、ウォーターポンプはクラッチケースの内部に収納し、燃料系のポンプと共用のバランサーシャフトによって駆動。さらにクランクケースを低い位置にデザインすることで、コンパクトなパッケージングを実現しました。」
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「安定した走行と機敏性を両立した車体と足回り

スチールのセミダブルクレードルフレームが、高速走行時の安定性を提供します。最大積載時においても、オフロードで安定感のある走行ができるよう、軽快性と耐久性のバランスを図っています。マス集中化により、バッテリーはシリンダーヘッドの後ろに搭載するなど低重心化を図りました。
また、ブレーキにはニッシン製の4ポットラジアルキャリパー、ならびに310mmのウェーブ形状のフローティングディスクを装備。サスペンションにはショーワ製を採用し、ロングストロークの倒立フロントフォークは、フルアジャスター機能付き。リアショックは、ダイヤル式油圧プリロードアジャスターを搭載しました。CRF450 RALLY同様に、フロントとリアにはそれぞれ21/18インチのスポークホイールを採用。それぞれ90/90-21、150/70-18サイズのチューブタイヤを装備しています。」
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「デザインテーマ「UNLIMITED ADVENTURE」

「UNLIMITED ADVENTURE(無限の冒険)」をテーマにデザインされたスタイリングは、最低限のボディーワークによる軽量のデザイン形状とし、ライダーを外気から守ると同時に、スリムで軽快な印象を実現しました。2灯ヘッドライトは、初代Africa Twinの風貌を踏襲。シート高は20mmの幅で調整が可能です。18.8Lの大容量燃料タンクは、良好な燃費性能とあいまって、ワンチャージでの航続距離は400kmを可能にしました。」
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「DCT搭載車をタイプ設定 =アドベンチャーユースに最適なDCT=

Hondaの独自技術である二輪車用DCT搭載車をタイプ設定。今回のDCTにはマニュアルモードのほか、良好な燃費性能と快適なクルージングを最適なバランスで発揮できるように設定された「Dモード」、スポーティーな走りをさらに追求した変速パターンを採用した「Sモード」という、2つのオートマチックモードを備えています。
さらに、このDCTは、アドベンチャーの環境においても本来の性能を最大限に発揮します。インストゥルメントパネルの右側に装備したGスイッチを押すと、ギア変速時のクラッチのすべりを最小限にすることで、トラクションを改善。これによりライダーは、オフロード走行時に重要となるマシンコントロールが容易になります。また、新機能として、登降坂角を感知する制御を採用。傾斜角に最適なシフトパターンを適合させます。」
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主要諸元
車名 CRF1000L Africa Twin
全長×全幅×全高 (mm) スタンダードタイプ:2,335×875×1,475
ABS/DCT搭載タイプ:2,335×930×1,475
軸距 (mm) 1,575
最低地上高 (mm) 250
シート高 (mm) スタンダード:870
ローポジション:850
車両重量 (kg) スタンダードタイプ:228
ABS搭載タイプ:232
DCT搭載タイプ:242
乗車定員 (人) 2
最小回転半径 (m) 2.5
エンジン型式・種類 水冷 4ストローク OHC 4バルブ 直列2気筒
総排気量 (cm3) 998
内径×行程 (mm) 92.0×75.1
最高出力 (kW/rpm) 70/7,500
最大トルク (N・m/rpm) 98/6,000
燃料タンク容量 (L) 18.8
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 マニュアルミッションタイプ:常時噛合式6段リターン
DCT搭載タイプ:電子式6段変速(DCT)
タイヤ 前 90/90-R21(チューブタイプ)
      後 150/70-R18(チューブタイプ)
ブレーキ形式 前 油圧式ダブルディスク
        後 油圧式ディスク
フレーム形式 セミダブルクレードル
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スペックで特筆すべきはエンジンのパワーがぐっと抑えてある(70 kW =93.8715463 馬力)ことと何と言ってもトライアンフ・タイガー800シリーズと同等の230kg(スーパーテネレは260kg)という車重だ。
270度位相クランクシャフト直列2気筒エンジンはヤマハXT1200Zスーパーテネレと同じタイプで最近のホンダお得意の中低速重視のチューニングのエンジンだろうからこの車重なら体感的にはじゅうぶんなパワーなのかもしれない。
これは生半可ではなく純粋に思い切ったラリーマシンの公道仕様を売りだそうとしているように思える。
いやこのモデルを売りたくて長い沈黙を破ってまでわざわざダカール・ラリーにチャレンジしているのだろうからホンダにはそれなりの勝算があるのだろう。
もしかしたらコンセプトって意味で直接的なライバルって言ったらKTM1190アドベンチャーRくらいしか見当たらないがこれは著しく乗り手を選ぶエンスーなマシンだ。
そういう意味ではスパルタンな乗り味になってしまうかもしれないがオートマチックであるDCT仕様にツーリングマシンとしての適正を持たせて販売の拡大を狙っているのか。
この内容で値段が税込み160万くらいになると非常に魅力的なオフロードバイクとなることは間違いないが、だいたいこの手のバイクは後からあれやこれや付けないといけないのでできるだけホンダさんには頑張ってもらいたいものだ。
日本発売か来年かな??