はな - 2
酒類:芋焼酎
原材料:甘藷、米麹
蒸留方法:常圧蒸留
麹:白麹、黒麹のブレンド
アルコール度数:44.1度以上44.9度以下
はなた - 1
「釜炊きの火酒・魂の妙薬
初留取り、ハナタレ
焼酎の醪を蒸留する作業は、焼酎の仕込みの工程の中で特に気を使う作業です。
蒸留機に吹き込む蒸気の温度と圧力、冷却水の流量、そして蒸留時間。
蒸留という作業は大胆な作業にみえて、実は大切に育てた醪を風味豊かな焼酎に仕上げていくために、とても繊細な気配りを必要とします。
蒸留担当の蔵人は、『釜炊き』と呼ばれ、蒸留機から最初に垂れてくる出はなの焼酎、ハナタレを今か、今かと待ち続けながら蒸気圧の調整に全神経を集中しなければなりません。
仕込みの季節が来て、初めての蒸留の時、蒸留機から垂れてくる銀色に輝いたハナタレにふれる瞬間は、釜炊きをする蔵人にとって言い知れぬ喜びと緊張に出会う一瞬です。
そのハナタレを味わうこと。それは蔵人のひそやかな楽しみであると同時に、ハナタレ独自の高濃度のアルコールと独特の風味は、焼酎造りに精進する蔵人にとって魂を癒す妙薬でもあります。
高濃度アルコールの焼酎は冷凍庫に入れても凍りません。ですから冷凍庫にて充分に冷やし、とろりとした味わいと風味を、ワンショットグラスにてストレートで、あるいはオンザロック、水割り、お湯割り等にてお楽しみいただくものも一考かと存じます。
釜炊きの火酒、魂の妙薬ハナタレを蔵人の精神として、ご堪能いただけましたら幸甚に存じます。
焼酎一筋 創業明治十八年
株式会社 黒木本店
代表取締役 黒木敏之」
はな - 5
焼酎のモロミを蒸留する過程の各段階でとれる原酒を「初垂れ(ハナタレ)」「本垂れ(ホンダレ)」「末垂れ(スエダレ)と言い特に初垂れは初期段階で蒸留器の垂れ口からとれる焼酎のためアルコール度数が65度以上あり原料の旨味が最も凝縮されている。
はな - 1
初垂れは全体の数パーセントと少量しか取れず非常に希少なので、昔は市場に出回らず製造に携わる蔵人しか味わえなかったが最近ではこの初垂れを商品化する蔵元が増え一般人も飲めるようになった。
はな - 2
ただ実際に商品化するにはアルコール度45%以上は焼酎ではなくスピリッツに分類されてしまうために割り水をしてギリギリの44度台にアルコール濃度を下げて販売している。
はな - 4
しかしこのコルク栓といい透明でシャレたボトルといい内容だけじゃなく外観にもスペシャルな感じむんむんで相変わらず黒木本店は商売上手だと感じる。
はな - 6
コルク風のコルク栓が多い中で本物のコルク栓を抜くとシュポっと音がして瓶の口からはこれまで未体験の独特な薫りが漂ってきた。
ネット上では「セメダイン臭」とか書いてあるけど上手いこと言ったもんだと感心する。
はなたれ - 1
冷凍庫でキンキンに冷やして紙の包みを剥がしたらこのルックスはやっぱり斬新だ。
はなたれ - 2
このスタイルだったら上等なバーにあっても何ら違和感なく溶け込んでしまいそうな雰囲気すらあるわな。
はなたれ〜 - 1
ちなみに値段はわずが360mlながら2471円と高価で一升瓶に換算すると12355円となりまあこれくらいの演出は当然といえば当然かもしれない。
はな - 7
さて実際飲んでみるとさすがにこれは鮮烈なインパクトがある。
グラスに注ぐ時もドロリと粘度を感じさせるほどでそれがねっとりと口腔に溶け込んでいく様はまさに「爆弾」の名に恥じないがこれだけの高アルコール度なのにほとんどアルコールを感じさせず喉を通過して胃袋に入ってから血液にアルコールが染みこんでいくのがハッキリとわかる。
後口はスパっと切ったようになくなってしまう、いわゆるキレが凄まじく良い。
この爆弾ハナタレは黒木本店の「きろく(黒麹)」と「たちばな(白麹)」のそれぞれの蒸留最初の1分以下だけ採取したハナタレを1対1で合わせてブレンドし更にこれを1年寝かせてから出荷するという凝った作り方をしている。
芋の香りや甘みがほとんど感じられないし独特な香りがするので好みはハッキリと別れると思うがストレートで呑むのを前提とするならこれくらいのある意味ショッキングさはあったほうが嬉しい。